18-009 「本」について
2018.03.3
18-009 「本」について
映画を見ていれば満足といった生活を送っていたが
最近「本」を読むことにより興味を覚えた。
ある物語に接するにしてもその接触の仕方が異なるので
同じ2時間を過ごしてもその違いを楽しむようになっている。
「本」ってなんだろう。
こんな文書をある本の中に見つけた。
本
「あなたはどんな本なの」
「・・・・・・・あなたの本です」
「・・・・・・・わたしの?」
「はい。本は手に取ってもらったら、もうそのひとのものだから。・・・・・私が誰かに買われていく時、私はあなたに話すことになっています」
「何を?」
「あなたのことを。あなたの中にある、まだあなたが言葉にできていない混沌を。あなたがまだ気づいていないことも。・・・・・・すべてを言葉にして、あなたに伝えます」
p133-134
「惑いの森」中村文則 文春文庫