14-024. 期待外れ
2014.08.1
14-024. 期待外れ
ちょっと大げさになるが、心の基本的なところで「期待」することを禁じるようにしている。
何かをしたとしても、それについて人からなにかしてもらえるとか何かしてほしいと思うとか、人に対して「期待」することは止めるようにしている。「期待」しないように心がけている。
天神祭の時2時間ほど船上から花火を見て遅くなって疲れ切ってやっと地下鉄に乗って南森町でやっと座ることができた。
ところが天満橋でもまたどっと浴衣姿の人たちが入ってきた。
ドアすぐの席に座っていた私のすぐ前にも人が来た。
若い二人連れで、なにげなく女性に目をやるとお腹が出ているのがわかった。
前にいる男の方に「座りますか」と声をかけて席を譲った。
女性は男の方を見たまま腰を下ろした。
視線は男性の方を向いたままでこちらを向くことはなかった。
ふたりともこちらと視線を合わすことなくもちろん言葉のやりとりもなかった。
感謝をしてもらうつもりはなかった。
こちらの心境の具合で勝手に席を譲ったのだし、感謝を期待したのではないはずだった。
ところが実際に感謝もされず相手からなんにもないと分かると、そんな状況を前にしてひそかに何かを期待していた自分がいて、そして結局そんな自分が「期待外れ」だったことに気付かされた。
期待しないはずが期待している、ああ、なかなか自分の思い通りには悟れないものだ。
期待外れ、自分への期待外れ。
人への期待外れなどを言うまえに・・・