12-042. 1947年の奇跡
2012.12.2
12-042. 1947年の奇跡
クリスマスシーズン、是非おすすめしたい映画があります。
「三十四丁目の奇跡」MIRACLE ON 34TH STREET です。
1947年度アカデミー賞3部門で受賞しています。
出演者の名前の中にナタリーウッドの名前を見つけてよく映画を見ていると
なんと9歳の少女なのです。こまっしゃくれた女の子を見事に演じています。
1947年というから第二次世界大戦が終わったばかりです。
その当時のアメリカ消費社会の豊かさに驚かされます。
百貨店お繰り広げるクリスマス商戦は現在の世相と全く引けをとりません。
ビジネス、経営、労働環境 いずれをとっても驚く程「現代的、現在的」です。
百貨店のクリスマス商戦の責任者の管理職は若いそして離婚歴のあるシングルマザーという設定です。
現代の日本においてすら難しい設定です。
ニューヨークのデパートに雇われたサンタクロースは、お客様第一主義のサービスで、
お客様の要望に応じて競合相手のデパートを紹介して、逆にお客から支持を得てしまいます。
面白く思ったのは、1947年のアメリカ企業においてすでに従業員のメンタルヘルスへの関心が見受けられたことと
やっぱりアメリカではすぐに裁判になるんだなぁ、という点です。
アルバイトサンタのクリス・クリンゲルがサンタであるのかないのか、裁判所で決着をつけることになります。
裁判の進め方、論理の成り立ち方、アメリカのディベートの具体的ケーススタディが興味深く展開されます。
クリスマスという楽しい話題でこんなに論理的でMBAのケーススタディの題材になるような映画を作った当時のハリウッドの知性に敬意を表します。