11-023. 「デフレの正体」と「選択の科学」
2011.03.8
11-023. 「デフレの正体」と「選択の科学」
最近読んだ本を2冊紹介したい。
「デフレの正体 -経済は「人口の波」で動く」 藻谷浩介著 角川oneテーマ21
「選択の科学」 シーナ・アイエンガー著 文藝春秋
「デフレの正体」は、「目から鱗」のお話ばかり。
いかに統計を読むか、いかに判断するか、教えられることばかり。
国際競争力についても面白い観点からの切り方:
日本に対して貿易黒字の国はどこか?
中国でも韓国でも台湾でもなく、フランス・イタリア・スイスといった国。
「日本の置かれている国際競争」に勝つには
「フランス、イタリア、スイスの製品に勝てるクオリティとデザインとブランド力」を獲得すること。
「車でいうと・・・
不動産開発でいうと、ドバイの超高層開発に勝つのではなくて、
パリの街並みよりも資産価値の高い中高層の街並みを
東京や大阪につくれるかということが本当の勝負です。
・・・」
もっともっと引用したいのですが・・・
「選択の科学」の方は、「選択」することの意味・功罪を実生活において分析している。
インドのシーク派出身の盲目の女性教授(コロンビア大学)が自分の体験に惹きつけて語り掛ける。
「選択」の持つ皮肉な側面も明らかにされる。
「第3講「強制」された選択」は、こんな文章で始まる:
みんなと同じように、わqたしも人と変わっている。
ほぼだれにでも当てはまる一般論:
1、人は自分が思うほど他人と違わない
2、人がもっている自己像やり想像は、大体同じ
3、だれもが自分は個性的だと思い込んでいる
これによってわれわれの「選択」の危うさが浮きあがってくる。
本当に自分が自分の主人かどうか、自分で選択しているのかどうか、
答えが出ない問いなのだろうか。
2冊ともいろいろ考えさせられる本なので、ぜひ読んでみてください。