28-026 「うごくもの うごかないもの」平成28年9月号
2016.09.15
28-026 「うごくもの うごかないもの」 平成28年9月号
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うごくもの うごかないもの
─ 人・企業・不動産 ─
平成28年 9月号
まぐまぐ ID 99461 (KS)
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8月16日から9月1日までパリに行っていたのでまずそのことから書いておきたい
夏休みには家内のお里帰りということでパリに行くことを計画した
八尾のアリオにあるHISに飛行機とホテルを予約しようと一ヶ月以上前に訪れたところ、
8月16日出発するのと18日に出発するのでは何割も差があった
しかも早く予約しないと席がなくなる恐れもあると聞いて
16日を二人分大急ぎで予約した。
関空からパリまでの飛行機のそんな中、朝早かったせいかウトウトしていた
明日への旅立ち
こちらからあちらへ
ここからあすへ
あの世から見ていたようなこの世へ戻る空の旅
8月から9月への時と空間の移動
大地が揺れる!?
目をさます
むしろ、目を覚まさせられる
体を揺すられて起こされる
体がガタガタ揺すられている
頭の中に変な音がする
大地が振動している
地震がやってきたのだろうか
津波の心配はここではないだろう
こんな信貴山の麓まで津波はやってこないだろう
大丈夫だろう
こんなことが頭をよぎった
やっと気がついた
自分はエールフランス291便の中
関空を飛び立ってパリへ向かう飛行機の中
夕食がもうすぐのようだ・・・
疲れていた割には3本も映画を見た
「最強のふたり」で大いに売れたフランソワ・クリュゼが離村の医者役を演じていたが、
ダスティン・ホフマンを彷彿とさせていてよかった。
小男の性格俳優はアメリカ映画でもフランス映画でも味わいがあって嬉しい
さぁ、パリに着いたらフランスの様子を書き留めていこう
パリで感じた一番の事:
いろんな人がいるなぁ!
いろんな肌の色、髪の色、鼻の形、顔つき、体つきがあるもんだなぁ!
そんな人間の多様性、混然とした状態を展示している博物館があった
建物も展示コンセプトも新しいタイプの博物館が
Musee du Quai BRANLY Jaques Chiracである
パリでは行くべき美術館・博物館は多い
2006年に当時の大統領ジャック・シラックにより開設されたブランリー博物館はその建物、展示方法、展示されているもの、
いろんな点から非常に新鮮である
人類の審美眼を太古からピカソへと結びつけようとする試みのような感がある
描き出された人間の顔・面は、とぼけていたり、無表情であったり、どこにでもいそうなもので、すべて写真に撮りたくなった
その面白さを上手く伝えきれないもどかしさがあるが、映像・画像を見てもらえるだろうか
パリの街の中を歩く
8月のパリはバカンスである
パリの人はパリを脱出し、
世界中の国々からやってくる観光客、
白い人・黒い人・黄色い人・茶色い人が民族衣装着て歩いてはTシャツ短パンで闊歩する。
フランスでも地方からお上りさんがやってくる、
スイスからベルギーからカナダからフランス語を話す観光客がやってきてフランスの首都を占領する。
セーヌ川にはビーチが出現し人はビキニを無関心に鑑賞する。
さて、治安はどうだろう
テロが心配だ
不安がないとは言えないだろう
兵隊さんがいろんなところで警戒して回っている
大抵は三人組でベレー帽に重装備、いつ銃を向けられても文句は言えそうにない
ユダヤ人地区では学校やシナゴーグだけでなくレストランも24時間警備対象になっている
夜一晩中立っている若い兵士の緊張感はいかなるものなのか
カメラを向けるわけにはいかないので観光名所を取るような振りをしてその後ろ姿をカメラに収めた
なんとなく三人組というのがキーワードになるように思った
街を歩くのが三人組が多い
ペアより女の子の三人組が目に付いた
観光客では若い韓国人女性三人組の化粧の仕方の鮮やかだ
色彩も会話も元気だ
幼児を連れて(手を引いて、背中に背負って-日本とは反対に子供は後ろの世界を眺めながら-)、
お腹の中に二人目を大きく膨らましながら、颯爽と街を歩く若き母親の姿が多く見られた
私の目にはみんな男・父親を必要としないシングルマザーのように見えた
こんな話をウチのフランス人配偶者にしたら、
日本でも子供二人連れて出歩いている女の人はいくらでもいる
最近の若い日本人男性は子供の面倒をよく見るわよ
と指摘された
どこがどう違うんだろう
何か違うような気がしたのだが・・・
パリでは肉体というものを特に意識した
肌が露わになる夏という季節のせいだろうか
男性も女性も筋肉、腕、太ももの存在感
パリで見たもの=丸いもの
臀部
乳房・胸
瞳
パリに痴漢がいるのだろうか
日本で痴漢をするとすれば、お尻を触ったり撫でたり押さえたり・・・
胸を触ったり押さえたり・・・
パリの痴漢はお尻を丸掴みしたくなるのではないか
乳房を掴み取りたくなるのではないか
何するのよ!と大きく目を剥き反発されながら
女性の肉体を音を立てるほど叩いて賞賛の意を表すのではないか
二人の人間・肉体の間で必ずハグというかキス・ビーズというか
頬と頬が接触する皮膚感覚
肉体の距離感覚には日本とフランスでは天地の差があるように思える
二つの肉体の接触と交錯が基本構成要素になっている西洋ダンスと
一人一人が団体・全体のリズムに合わせて高揚感を獲得しようとする盆踊りとの違いが垣間見られる
肉体・性はダンスの中で表現・実現されるのではなく盆踊りの終わった後闇の中での事柄となる
パリでも人は老い死んでいく
フランスは昔から老大国・老人国である
フランスのおばあちゃんもおじいちゃんも85歳になり一人にしておくのは不安である
まさかのときはどうするのか
まさかのときはそんな遠くない
いつやってきてもおかしくはない
自分たちの前の防波堤がもう一つ崩され
津波は我々を襲うことになるだろう
人生100年も生きられない
癌になって放射線治療で快癒することもあるかもしれない
放射線を発見したキュリー夫人をパンテオンに訪ねた
キュリー夫人のことを書いた小林エリカの本を読んで
こんな言葉に出会った
「ハーフ・ライフ」(半分の生)
こんな言葉 ご存知でしたか?
半分の生 というから 残りの半分 余生みたいなことを意味するのかなぁ なんて漠然と考えてしまいました。
人生 今は何年なのか 60年か90年か あるいは100年120年か。
このハーフ・タイムの単位は 1600年です。
マダム・キュリーが1902年に手にしたラジウム226の放射線量が半分ほどになるのが西暦3502年頃ということです
1600年で放射線量が消えて無くなるのではなく半分になるのに1600年、
さらに1600年経ってその半分になるということらしいです
ハーフ・タイム 半減期という日本語に訳されているようです
2度ノーベル賞を受賞したただひとりの人、この女性は原発をどう考えただろうか、
ポーランド人キューリー夫人の遺体が納められたいるパンテオンを写真に撮って 我らが日本の国で議論するつもり
明日への旅立ち こちらからあちらへ ここからあすへ あの世から見ていたようなこの世へ戻る空の旅 8月から9月への時と空間の移動
パリで日本の小説を読む
パリ滞在中に日本の小説を読みたいと思って持って行ったのは:
「ジニのパズル」と「コンビニ人間」
いずれも期待通りの作品でパリの街で楽しんで読み終えました
フランス在住の日本人の友達に残してきました
新しい感覚の作家が次から次に誕生している感じです
フランスから関空へのフライト、ゆっくり寝ないといけないのはわかっているのですが、
また映画を見てしまった
「エルビス・プレスビーとニクソン」、ダンスの映画、キャプテン・アメリカ の3本も!
明日への旅立ち こちらからあちらへ ここからあすへ あの世から見ていたようなこの世へ戻る空の旅 8月から9月への時と空間の移動
大阪 パリ 大阪
私はパリで何を見てきたのか
日本で何を見ているのか
最後までお付合いくださりありがとうございます。
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