NO28.住宅ローンのコト
2010.07.13
家を買うとき、ほとんどの人が住宅ローンを組むと思います。今まで色々な銀行で色々な方の住宅ローンに携わってきました。
銀行側の状況によって、住宅ローンが可決されたり否決されたりします。
去年だったら余裕で通っていたのに、今年は無理とか。減額が来たりだとか・・・
不動産価格は年々下落傾向に有ります、担保としての不動産価値で見ると大きなリスクを銀行は抱えることになります。
また、去年から今年にかけて、デフォルトする住宅ローンが多発しているそうです。
その上、お客様の年収は下落傾向・・・
銀行も慎重になるのも当たり前かもしれません。
不動産業者が言って良いのかどうかわかりませんが、無理して家を買うぐらいなら賃貸に住んでたほうがリスクが少ない気もします。
3000万円以上する新築住宅をフルローンで買う・・・少なくともコレは正直避けたほうがいいです。
新築住宅を買うリスク・・・・考えてみましょう。
1、不動産価格の下落リスク
2、激甚災害時のリスク
3、近隣問題発生時のリスク
大きく3つのリスクが見受けられます。
例えば、3000万円の新築戸建住宅を住宅ローン3000万円利用で購入したとしましょう。
3000万円と諸費用が150万円程度かかり総額3150万円(150万円は自己資金)
年間にかかる固定資産税が12万円とし、経済状況が現在と大きく変わらず、
金利は2%とします。
10年後、事情により売却しようとするとどうなるでしょう?
3000万円を元利均等払いの金利2%35年支払いで借りているとすると
10年後の元本残債は約2344万円
ではこの住宅はいくらで売れるでしょうか?よっぽど状況の良い場所で無い限り
10年後1800万円で売れれば御の字でしょうから、残債が544万円残ります。
544万円の追金が出来なければ、売却は難しいです。どんな事情があったとしても
引越しが出来ない状況になります。
上記の状況を家賃で計算してみましょう。
10年間で目減りした資産額は1350万円それに固定資産税がざっと100万円と
売却時にかかる諸費用がおよそ100万円
故に・・・10年間で1550万 年間155万円 月々約13万円
すなわち月々13万円の賃貸住宅に住んでいたことになります。
結構いい家に住めそうな家賃ですね(汗
その間激甚災害等があって家が破損したりなんかしたら目も当てられない状況になります。
上記の試算を覆すにはインフレになるしか無いです、今後急速にインフレになると予測している人以外はフルローンでの家の購入は避けたほうがよさそうです。
やっぱり新築住宅を買う場合は家の価格の3分の1程度の自己資金があったほうがよさそうです。
自己資金さえあれば、自由に売却することも可能ですし、月々の支払額を抑えることにより繰上返済や売却時の一括返済が可能になります。
新築住宅を買うならフルローンはやめましょう!
『じゃあ、賃貸に住み続けるのがほんとにいいの?』
と言われると、そうでもないよ!といってしまいます。
次回はそのへんの話をしたいと思います。