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お知らせ

27-018. メルマガ「うごくもの うごかないもの」 平成27年5月号

25-018. メルマガ「うごくもの うごかないもの」平成27年5月号

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うごくもの うごかないもの
─ 人・企業・不動産 ─
平成27年 5月号
まぐまぐ ID 99461    (KS)
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◆ 「臍」
○ 「中華」
○ 「歴史的時間」の長さ
○ 「埋葬」「死」「弔う」「死を悼む」
◆ 感覚器官
○ 「目」
○ 「手」
○ 「口」
○ 「耳」
○ 文字、漢字、歴史的のつながり
◆ 構造
○ 国の構造、王の構造
○ 家族の構成
○ バブルから実需へ
○ 独立の構造
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◆ 「臍」

○ 「中華」

中国へ行った。
4月後半に中国の河南省へのツアーに参加した。

「河南省」の「河」とはなにか? 「黄河」である。
この地方は「河」の南に位置する17万平方キロの地域で、一億以上の日本に匹敵する人口が現在住んでいる。
「中原」の地と見なされ、「中華」が始まり形成されたといえる。
中国の中国たる起源、中華の発祥、国の起源、統一国家形成の地であり、
文字による記録伝承つまり歴史認識が始まり、
青銅器という金属加工文明が発達したところで、
まさに中国のお臍といえよう。

この旅行で初めて理解できたことがいくつかあるので書き連ねてみたい。

○ 「歴史的時間」の長さ

河南の地域で中国古代王朝の文明が発達したようだ。
「夏(か)」、「殷(いん)あるいは商(しょう)」、「周(しゅう)」 という名前で知られている王朝の都跡、殷(商)墟を鄭州と安陽で訪問して説明を受けたが、今から三千数百年前という時間軸で広大な文明都市が栄えていたことには驚かざるを得ない。
「殷賑(いんしん=殷の賑わい)をきわめる」といった表現を思い起こす。

「甲骨(こうこつ)文字」という絵文字・記号に始まり、
中国はまさに漢字の国であり、歴史を記載し伝えようとする国である。
二千年も前に司馬遷が膨大な資料を残しているようだが、その継続性と一貫性とともにそのカバーしている分野の広さと内容の深さも驚異的である。

春秋戦国時代を過ぎ、秦の始皇帝が統一するのは紀元前二世紀のことであり、
その時期の日本とは比べることはできないだろう。
中国という国の時間軸が途方もないものであることに気が付く。
そして同時にギリシャ・ローマ文明、エジプト文明、メソポタミヤ文明、インダス文明といった歴史の本で習っただけの事象が現在の地球上に脈々と続いて存在していることに気が付く。
世界は広い、世界は深い。(勉強し直さなくては!)

○ 「埋葬」「死」「弔う」「死を悼む」

国を統治・統一する「王」は絶対的存在である。
そしてその死は天地を揺るがす出来事だったのだろう。
おそらく「人事」の力の及ばぬ「天」の関与する事象だったのだろう。

王の墓「王墓」にはすべてが埋葬される。
物品だけではない、人も馬も王に殉じて死に(殺され)葬に付される(殉葬)。
地下深く掘られ王は埋葬され彼を取り巻いていた世界がすべて地下へと移行する。

このような儀式はなぜ必要なのだろうか?
過去を葬るため?
─ 将来が過去に侵略されるのを恐れてそれを防ぐため?
─ 未来をゼロから作り出すため?
いずれにせよ、亡くなった王を惜しんでというわけではないだろう。

◆ 感覚器官

自分自身で触れ感じ味わうこと。
この基本的な原初的な機能を意識する。

○ 「目」

美の追求 化粧

中国の考古学的歴史勉強ツアーに参加して4000年とか6000年とかの時間を尺度にして現代の中国の都市の風俗をチラリチラリと眺めて、一番印象に残ったのは以前の中国観光旅行の時よりも女性の肌が白くなっていることです。
そして、目がぱっちり、プチ美容整形が流行っているのかな、っという印象を受けました。
肌に太陽と土で形成されたある意味逞しい色合いを光らせていた少女たち、女性たちが都市にも群生していた気がするのですが、
今や世界中のどの大都市にもいる雑誌から抜け出たような女性ばかりが白く輝いて(あるいは輝こうと懸命に努力している)ようです。
資生堂が中国市場に大いに期待するのが頷けます。

中国古典を通じて「今の日常を学ぶ」というのをモットーに開催されている「昌平塾」で「楊貴妃」のお話を楽しく聞かせてもらったが、
花も恥ずかしがり花びらを閉じるほどであった(羞花─しゅうか)傾国の美女は、現代の美人の規格からいえばふっくりしたタイプであったようだ。
概して昔の美人は、日本の天平美人でもぽっちゃりした顔つきだ。

楊貴妃の入浴シーンは有名だ。
長安から離れた温泉離宮・華清宮で楽しんだらしい。西安では華清池の湯殿が今でも温泉に入れるらしい。
まるでナショナルのTV番組「水戸黄門」さまの定番女忍者の入浴シーンを覗き見するような気分だ。

一方現代美人の話題では、骨と皮ばかりで拒食症にかかったモデルを排除しようという動きがフランスで出てきているようだ。
彼女たちが風呂に入っている姿を想像してみる。
バスタブの底にぶつかる尾?骨が痛そうだ。
ごつごつと硬いものがぶつかり合い骨がギシギシ鳴りそうだ。

骨と皮だけでは味気ない。
物事には肉付けが必要だし、やっぱり一番おいしいのは肉の部分だ。

肉感的な女性の美に敏感になっていく自分を意識するこの頃である。

次の器官「手」へと・・・

○ 「手」

直接触れる、自分の「手」で。
はねかえってくる感触、温かさ、捕まえようとして掴みきれない。
現実は豊かだ、豊穣だ。

「手」はまたものを作り出す。
有形のものを生み出す力を秘めている。
想像力は「手」によって実現される。

○ 「口」

そしてものを味わうのは「口」だ。
赤ん坊はすべてを口に入れる。
自分の中に取り込もうとする。

「手」と「口」との組み合わせで面白い言葉ができる。
一体「手口」という言葉はどのようにしてできたのだろうか。

詐欺の「手口」に騙されないようにするため相手の話につじつまが合っているのかどうかよく聞くことだ。
「耳」は判断の器官でもあるのだろう。

○ 「耳」

聞くこと、人の話が耳に入ってきても聞いていない、
素直に人の話が聞けるには60歳にならないといけないと中国の人が語っている「耳順」。
60になっても70になっても人の話は聞かないものだ。

「耳」は楽しむ器官でもある。
音を楽しむ、古代遺跡の中から驚くほどの楽器が採掘される。
人は楽しむために生きているのだ。

食を楽しみ、美を楽しみ、音を楽しむ。

楊貴妃の欠点は「腋臭」だと伝えられているが、
(ちなみに中国四大美女のほかの三人の欠点は、西施=大足、王昭君=なで肩、貂蝉=小耳といわれているらしく、中国における美女のスタンダードがうかがわれて面白い)

○ 文字、漢字、歴史的のつながり

中国・河南省へ旅行して「文字」「漢字」について考えさせられた。
東アジアの漢字文化圏が存在するのではないか。
共通の話題ができ、共通で作り出すことができるものがあるのではないか。

たとえば、漢字についての協働委員会を日本と中国と台湾とそして出来れば韓国を含めて作って欲しいものです。共通のものを作り出そうという努力をして欲しいものです。
韓国大統領の名前は「パク」さんというのでしょう。
「朴」と表記することは韓国ではどのように受け止められるのでしょうか。
韓国語において元々の「漢字」はどの程度意識されているのでしょうか。

ソフトバンクの「孫正義」社長の名前は、韓国において「孫」という漢字を意識されるのだろうか。
「孫氏の兵法」の「孫」、「孫悟空」の「孫」、このような長い歴史の中での「名前」であり、「漢字」なのだが・・・

京都「鴨川おどり」の今年の出し物に「西遊記」がある。
ご存知「孫悟空」が「三蔵法師」のお供で首都長安から仏教の聖地天竺インドへと経典を求めていくアドベンチャー話である。
時まさしく「孫悟空」ならぬ「孫」社長は自らの後継者ニケシュ・アローラ氏をインドに求めた。
グローバル時代にいろんな蜘蛛の糸がつながっていく。

ワープロのフォントはいろいろご意見もあるでしょうが、 明朝体がよろしいようです。
明朝(1368-1644)ってどんな時代なのでしょう。
「中国の歴史をかえりみると、それまで統一王朝の都といえば、長安・洛陽・開封、あるいは北京と、いずれも北方にありました。
明朝に至って初めて江南に統一帝国の都が置かれたのです。
政治の中心が南に移ったということは、漢民族が大陸の南方を開拓し、いわゆる江南の地方が、経済のみでなく政治の中心になったことを示すものといえましょう。」(「この一冊で中国の歴史がわかる!」山口修著 三笠書房 知的生きかた文庫 p.143)

◆ 構造

○ 国の構造、王の構造

国を成り立たせているものは何なんだろう。
「イスラム国」出現や中東・アフリカの紛争を報道で知り自問する。

暴力?
統一への意思?
そいて、王は必要なのか。

中国の「習近平」国家主席は王か。
「スターリン的独裁者の精神分析」と題する「習近平の肖像」チャイフーミン崔虎敏著 飛鳥新社 を読んでいるが、このなかで中国人が分析する中国での勢力争いがうかがわれてはなはだ興味深い。
父親「習仲勲」は文化大革命で迫害を受け、中国共産党を追放され、その子供たちは農村部に下放され、厳しい生活を送っている。
著者は「習仲勲」への賞賛を隠さない:
習仲勲も路線変更したタイプである。

そんな経歴を持つ父親と子供との関係、その精神分析を行おうというわけである。

権力は独裁体制にならざるを得ないのか。
その場合、絶対的力を行使させられる根拠はなになのだろうか。

古代史から現代まで貫く「国の構造」「権力の構造」「支配者の構造」「王の構造」という不変の構造が存在するのだろうか。

○ 家族の構成

「河南省」で目にした家族の構造、一人っこ政策が緩和されたのか、
二人目の子供をつれた夫婦連れが見受けられた。
オートバイを颯爽と運転する男性あるいは女性、
中国では結構女性が運転して後部座席に夫が乗っているケースが多かったが、
二人の間には小さな子供・幼児が挟まっており、最後部には二人目の子供・ちょっと大きい子供が大人にしがみつく形で乗っていた。

あるいは、公園では一人の子供の手を引きながら、二人目の赤ん坊をベビーカーに乗せて散歩する夫婦の姿が見られた。

中国でもこんな家族構成が平均的になっているのだろうか。

韓国映画「レッド・ファミリー」を見た。
韓国に侵入した北朝鮮の工作員4人が家族の振りをして生活している。
隣家の本物家族との日常生活ぶりと工作員の任務執行・政治信条との次元の飛び離れたギャップが面白く描かれる。

家族とはなんなのか。
家族とは、一緒に生活している人たちのこと、
なにか任務を遂行するためのものではなく、ただいるだけのもの、
あるだけのもの、共通の時間を過ごすだけのもの・・・

○ バブルから実需へ

紀元前364年に魏の都となり、七つの王朝の都として栄えた開封で、「清明上河園」というテーマパークで遊んだ。
膨大な敷地に張拓端が描いた「清明上河図」の街並みを再現している。
中国のいたるところで歴史遺産をもとにテーマパークが建設され、そこに至る道路が整備されている。

誰も住まない幽霊マンション・オクションの建設バブルからこのような観光を絡めた内需推進へと方向転換しているのだろう。
雇用対策・失業対策としても有効な施策ではないだろうか。

このようなテーマパークがうまく根付くものかどうか。
リピーターが多く来るものかどうか。
テーマパーク同士、地域間の競争も激しくなるのでこれからの動向は予断を許さないところがあるようにも思える。

中国人以外の外人の観光客の姿が見られないのが気になったが・・・

○ 独立の構造

最後に一言:

国というのは何によって成り立っているのだろうか。
スコットランド独立の動き、バスク独立の動き・・・
大阪は独立できないのだろうか。
第二の「小東京」になるのでなく、商売・ビジネス・自由な交易・闊達なコミュニケーション・フリーな生活スタイルを理念とした「国」を作ることはできないものなのか。

どんな国にしたいか、そんな話が最初にあって、そこから「国造り」ができないか。
制度や体制はそれに基づいて整備していけばいいのではないか。

大阪独立、関西独立・・・
どのような理念をもって「独り立ち」するのか・・・

考えてみよう。

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