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お知らせ

25-004. うごくもの うごかないもの 2月号

25-004. うごくもの うごかないもの 平成25年2月号

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     うごくもの うごかないもの
       ー人・企業・不動産ー
        平成25年 2月号
       まぐまぐ ID 99461

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  第一部 

 ○   北朝鮮
 ○ プロバスケットと自転車競技

  第二部

 ○ 「す」にテンテン と 「つ」にテンテン
 ○ 電話からトイレへ逃避(昔話) 
 ○ 英国 vs イタリア

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  第一部

 ○   北朝鮮

 2ヶ月に一回くらいの割合で開催している「杉の実サロン異業種交遊会」。
その2月20日(水)のテーマが「北朝鮮」で、
昨年北朝鮮を訪問する機会のあった弁護士稲田賢太郎氏に話題を提供してもらえることになっている。

 国際情勢上も関心のあるテーマだが
大阪には在日の人が多いし我々の同級生でも北朝鮮へ渡った人もいると聞いているので
個人的なは常に興味ある話である。

 予習を兼ねて関連の本を読んでみた。
「ディア・ピョンヤン」という映画を作成したヤン・ヨンヒは
生野区出身でその特殊な経歴からみて関心を持っていたが
最近の映画「兄 かぞくのくに」の原作を読んだ。
肉親の具体的なケースが語られている。
国の暴力に遮られた家族の悲劇。

 この機会に読んだもうひとつの本「拉致と決断」蓮池薫。
これはすごい本だと思う。
筆者の冷静さ、観察力、ディテールの描写力、
社会全体への関心と個人の動きへの関心、
intelligenceとか呼ばれるスパイの観察力を思い起こさせる。
戦国時代なら優秀な忍びのものといえるのではないか。

 今まで韓国訪問のエッセーや翻訳活動それも歴史小説から現代小説まで幅広い活動をしているが
自分の言葉で小説を書いていってほしいと思った。
おそらくオーエンの「1984」のような緊迫した世界を構築することができるのではないだろうか。

 ○ プロバスケットと自転車競技

 ちょっと先の話になるがもう一つの「杉の実サロン交遊会」のご案内。
日時:平成25年4月18日(木)  16:00-18:00
(この時間帯でやったことはなかったのですが、試みに。)

 二人にお話を依頼しました:

 安井直樹氏はプロバスケットチーム「大阪エヴェッサ」のプロモーションを担当。
(大阪エヴェッサのホームページは http://www.evessa.com/ 
日本のプロバスケットボールリーグは 「bjリーグ ビージェイリーグ」というらしい。
参加チームが21、開始が2005年というから7念の実績しかない、
アメリカと違って日本ではマイナーなスポーツと言える。
これからメジャーになっていくものだろうか、なんとも判断はつかない。
ただ力を入れて応援している人がいることは確かだ。

 最近では、桜ノ宮高校の体罰騒動で、大阪エヴェッサのヘッドコーチ カートライト氏の訪問が新聞報道などでも取り上げられた。
米プロバスケットボールのNBAのブルズで1990年代に3連覇したビル・カートライトは
マイケル・ジョーダン氏らとともに活躍し、現役引退後に監督も務めた大物のようだ。
プロバスケットチームのいろんな話が聞けそうだ。

 もうひとりは、ミサワホーム近畿株式会社で働いている松元徳泰氏で
ミサワホーム近畿は弊社も所属する関西不動産情センタ^ーでのお仲間である。
松元氏は仄聞するところかなりのレベルの自転車ロードレース競技の経験者ということ。
外国での経験もあるということで以前から一度そのお話を聞きたかったのです。

 自転車競技については近藤 史恵の「サクリファイス」と「エデン」という2冊の小説を読み関心を持っていました。
団体競技としての駆け引き・おもしろさ、エースの勝利のために尽くすアシストのプライドといったことがわかりました。
「エデン」で描かれた「ツール・ド・フランス」の内情など胸をワクワクさせて読みました。
こちらのお話も楽しみです。

 こんな仕事と直接関係ない話題から人のつながりができ楽しいネットワークが機能していけば嬉しく存じます。

   第二部

 ○ 「す」にテンテン と 「つ」にテンテン

 小津安二郎の映画を立て続けに見ました。
BOX第一集と第二集を見ました。
「東京物語」は今回見ても関心しましたし、
作品の中に時代が読み取れまた戦争が大きく影を落としていること
(戦死していった息子たちへの哀惜の念)を感じ取られて興味深かった。
ただ、作品自体のマンネリさは監督自身が意図しているにしてもやはり正直退屈でした。

 さて、世界的に名画としてランキングされて小津は OZU YASUJIRO と表記されている。
小津の「ZU」は「津(つ)」の濁音だとすれば
「DU」と表記するのが正しいのではないか。

 我が母校「高津」は「大阪市歌」の突端に出てくる(作詞:堀沢周安 作曲:中田章)。
大阪市歌をご存知ない方(ほとんどの大半の人でしょう)のために
コピーしてみましょう:

1、高津の宮の昔より
よよの栄を重ねきて
民のかまどにたつ煙
にぎわいまさる 大阪市
にぎわいまさる 大阪市

2、なにわの春の朝ぼらけ
生気ちまたにみなぎりて
物みな動くなりわいの
力ぞ強き 大阪市
力ぞ強き 大阪市

3、東洋一の商工地
咲くやこの花さきがけて
よもに香りを送るべき
務ぞ重き 大阪市
務ぞ重き 大阪市 
(蛇足ながら、現市長は橋下徹である)

 「たかつ」の宮、これが「こうず」と発音される。
「津」の字が忘れられKOZUあるいはKOUZUと表記される。
だからといって「DU」と表記しても日本人は発音できないだろうし
外国人が発音した時には誰のことか、どこのことかわからなくなるだろう。

 「だぢづでど」はなくなったのだろうか。

 小津と我が母校高津が内包している問題を論じ問題を提起いたします。

  ○ 電話からトイレへ逃避(昔話)

 パリへ留学してまもない頃だと思うので
1969年か70年の大昔のお話である。
お恥ずかしい話だし別に為になる話ではないのだが
なんとなくしておかないと死にきれないみたいなところがある。

 フランスに行ったのは日本にいても仕方がないといった消極的な理由もあったが
大学でフランス語も十分マスターできていないという反省もあった。
現地でフランス語ぐらいはなんとか・・・
そんな気持ちで日本を出た。

 ということは当然まだまだフランス語の能力がなく
不安いっぱいで滞在していた。
しかし一人前にアルバイトをしてお金も稼ぎたいと
人づてに稼ぎ口を見つけてもらった。
新聞記者の事務所の手伝いでフランス語の記事を訳しながら事務所の留守番をする仕事だった。
日本でもフランス語の本を読んだり訳することは授業でやっていたので
ちょっと難解な高級紙「ル・モンド」でもなんとか意を汲んで訳すことはできた。

 ただ日本人の常套で会話の方は苦手でまた生来話しベタでもあった。
マンツーマンで一対一で顔を見ながら話している時には
仕草手振り表情など総動員してなんとかお互い理解しあえるが
これが電話となると別だ。
特に知らない人と初めて話すときはパニックだ。
相手の顔が見えず表情がわからず耳から入ってくる音だけで反応しなければならない。

 電話の応対、これは恐怖の的だった。
わからなくなると頭の中が真っ白になってしまう。
事務所に電話がかかってくるのが恐ろしくて仕方ない。
朝事務所に出ても電話がかかってきそうな時間帯はトイレに隠れた。
電話が鳴っても出られません。
そのうち記者が出社するような時間になっておそるおそる首を出した。

 実際どんな風にごまかしていたのだろうか。
2回に一回、3回に一回は電話をとっていたのだろうか。
そのうちに慣れて取れるようななったのだろうか。
未だによく覚えていない。
なんとか首にならなかったようだ。

 しかし、今なお電話が鳴ると心臓に悪い。

 こんな時効になるような昔話をするのは
教会で懺悔をしているようなすっきりした感じだ。

 
 ○ 英国 vs イタリア

 二本のDVDがアマゾンから届いた。
両方共興味があったのですぐに見た。
「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」と「ローマ法王の休日」である。

 「マーガレット・サッチャー」の方はご存知イギリスの初めての女性首相、
強烈な信念を持って政治家としてやりとうした鉄の女とあだ名された女性の物語である。
男性社会の英国政治界で女性として差別や蔑視と戦いながら
常に孤独な戦いに勝ち抜いていく強烈な信念のリーダーである。

 作品中も「頑固な女」としてメリル・ストリープが熱演している。
彼女の政治的判断には自らの疑いを入れる余地はないようだ。
労働組合に対する戦い、テロへの戦い、フォークランドでの戦争・・・

 しかしなにか感動の物語というより、最後になるとあまりに強烈な個性、確信さに
嫌味を感じるほどだ。
作中ミュージカル「王様と私」(ユル・ブリナー、デボラ・カー)の映画が出てくるが
英国の植民地主義の歴史を思い起こさせて皮肉な感じだ。

「ローマ法王の休日」の方はおそらくほとんど注目されなかった作品だろう。
タイトルから推して軽い楽しいコメディだろうくらいの認識で購入した。
ローマ法王の死去に伴い新しい法王が選出される。
選ばれた法王が職を放り出して逃げ出してしまう。

 そんな設定自体がイタリア喜劇と判断してしまうと大間違い。
確かに全編イタリア人でなければ作れないようなお話ではあるが
(枢機卿たちの精神分析、バチカンでのバレーボール大会・・・)
取り扱っている問題は重い。
「自分はこの任務を果たせるのか。
それにふさわしい<人間>なのか。」
ひとりの人間が考える、迷う。
三日間不在の中で、組織はやさしく主導者が帰ってくるのを待つ。
いつでも受け入れられる優しさをもって待ち受けている。

 しかし結論は衝撃的だ:
ミッシェル・ピッコリ演ずる新法王はあくまで自分はその任でないと明言し去っていく。
任を全うするのにふさわしくないと自分で判断して去っていく。
なんとかなるだろう、とか、まあなんとやってみようか、でない決断。
こんな決断とその決断に至る躊躇・迷い・時間を許容するイタリア社会。

(余談:
ローマ法王が辞任するというニュースが入った。(2013年2月11日)
偶然とは言え「事実は小説よりも奇なり」
映画のことを思った)

 この二本の映画に対照的な人間像を見ることができる。
お奨めの最近作の映画である。
 
  

 今回はこれくらいにしておきます。
最後までおつきあいありがとうございます。
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