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10-053. 「神の棄てた裸体 イスラームの夜を歩く」 石井光太著 新潮文庫

10-053. 「神の棄てた裸体 イスラームの夜を歩く」 石井光太著 新潮文庫

 

珍しくノンフィクションを読みました。

内容も 「性」から見つめたイスラーム世界 というものです。

イスラムの国での売春婦の実態・生活をテーマにしています。

 

「イスラム」という言葉から石油生産国の夜の世界を想像していたが、

この本で取り扱っているのは、インドネシア、パキスタン、バングラデシュ、マレーシア、ミャンマー、アフガニスタン、インドといったアジアの国々がメインで、

中近東では、ヨルダン、レバノン、イランがかろうじて触れられているだけです。

 

これらの貧しい国々の最下層で生存すれすれの生活を送っている人、女性、少女たちの売春振りを

著者は一緒に生活して生きています。

 

少数民族として抑圧され迫害され、長く続く戦乱で孤児になった彼女たちとともに生きようとする

著者の心が伝わってきます。

 

小さい時から死にさらされ、親やすべての肉親を戦争で失い、大人の性の道具となりながら、

それでも肉体のコンタクトにしか安らぎをもとめることができない少女・・・

 

戦争の酷さ、貧困のすさまじさ、

わたしたちの常識では判断できない現実を突き付けられます。

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